《日本経済新聞5月11日朝刊・掲載記事》
◆北里環境科学センター
食塩水の電気分解で得られる中性の電解水が、コロナウィルスを効果的に死滅させることを確かめた。この電解水は消毒用アルコールや塩素系消毒剤に比べ、皮膚などへの刺激が少ないのが特徴。 新型コロナウィルス感染症予防の手洗いや医療施設の屋内噴霧用などに使えるという。
実験には猫の腸などに感染するネコウィルスを使った。有効塩素濃度が30,50,100ppmの電解水にウィルスの感染力を示す値がいずれも検出限界以下に低下した。
電解水はプラントメーカーの日本テクノ(東京)が食塩水に振動を加えながら電気分解する独自技術で開発。食品添加物と化粧品の認可を受けており、スキンケア製品やプールの消毒用などに使われている。
これまで確認されていたインフルエンザウィルスや食中毒原因菌への作用に加え、コロナウィルスへの効果を今回新たに確かめた。